恋のコーチは期間限定
「美希さん。明日はお休みですよね?
 デートしませんか?」

「デート?」

「はい。」

 本当は良くも悪くも球技大会まではこのままでいようと思っていた。
 元彼に見せつける為の恋人役をやり遂げたかったし、何よりこの関係を失いたくないっていう臆病な気持ちが顔を出すから。

 けれど、もうこの関係は限界を迎えていると思う。
 何より俺自身が限界だった。

 美希さんはもしかしたら元彼に振られた寂しさで俺に堕ちただけかもしれない。
 俺はただの元彼の代わりで、ただの気の迷い………。

 そんなよくない考えが浮かぶ一方で美希さんはそんな人じゃないという考えも浮かぶ。

 美希さんはどうでもいい奴と体を重ねるような人じゃない。
 その一点に賭けてみようと思った。
 例え砕け散ることがあってももう今のままの関係でいることはもう……。

 美希さんの心も全部、俺のモノにしたかった。






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