恋のコーチは期間限定
　さっそく手元に届いたビール片手に「お疲れ」と軽く乾杯してから喉を潤した。

「あー。生き返るわ。」

　オヤジくさい発言をしつつ彼の方を見ると、彼はオレンジジュースのストローを咥えてニッコリと微笑んだ。

　なんだろう。この可愛い生き物は。

　男の人に可愛いって思うこと自体が稀だし、まぁそもそもこんなに年の離れた男の人……男の子？に接する機会も少ない。

　望美の男友達と話す機会はある。
　けれど、クソガキって思ったことはあっても可愛いとはなかなか………。

「ところでどうして急に硬式テニスを？」

　かなり思考が飛んでいたみたいで慌てて目の前の彼に意識を戻す。

　いつの間にか注文したサラダもきていた。

　サラダを取り分けてくれる彼の行動は確かにモテそうだ。
　その所作がごく自然で、普段なら率先して取り分ける側の私が当たり前に甘えられるから不思議な感覚だった。










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