恋のコーチは期間限定
 美希さんのコーチを務めて約束の3ヶ月が過ぎた。
 会社の球技大会も無事に勇姿を見られた。

 それで、どうやったらあの甘い会話からテニスの宣戦布告になるのか。
 まぁ、そういうところが………。

「どうなったらコーチ卒業で、付き合い続行になるわけ?」

 当然の疑問をぶつけても曖昧な返事が返ってくるだけ。

「………分からないけど。
 納得できるかどうか?」

 どっちが?
 俺はこんなことしなくたって………。
 ま、いいんだけどさ。

「……分かった。とりあえず試合しようか。
 3セットマッチで俺はサービスコートまでをコートにするハンデ付きでやろう。」

 試合をした結果、どうするのかを聞いてから疑問については考えるとして今は試合を進めることにした。

 試合をする上で当然のハンデを口にする俺に美希さんは不服そうな顔をした。
 ただでさえ男女差があるのに……と心の中で苦笑する。

 本来なら0ー30からで、利き手と逆の手で打つくらいした方がいいと思うのに。








< 206 / 253 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop