恋のコーチは期間限定
不安は的中してしまった。
美希さんとテニスを終え、手を繋ぎながら帰る至福のひととき。
その帰り道で会いたくない人物と遭遇した。
夏川透梧。
彼のことはここ数日で調べさせてもらった。
ナツカワの創設者の孫であり、ナツカワの現副社長を務める。
若くして副社長を務める実力者で、親族だからボンクラ息子が社長に…という構図はナツカワでは当てはまらない。
世界のナツカワだ。
親族であろうと使えなければ雇いもしないだろう。
そうでなければ世界で通用しない。
「本当に仲睦まじいですね。」
微笑んで言われてもジリジリと後退りたくなる。
正体を知ってもどこか得体の知れない男だ。
「俺はあなたに用はない。
失礼します。」
「おやおや。
私は用があって出向いたのです。
少々お時間を頂きたい。」
妙なことに巻き込まれるのはごめんだ。
特に……美希さんがいる時に。
美希さんを守るように少し前に出て彼と美希さんとの間に立つ。
繋がれた手に僅かに力が込められて美希さんも緊張しているのが伝わった。
美希さんとテニスを終え、手を繋ぎながら帰る至福のひととき。
その帰り道で会いたくない人物と遭遇した。
夏川透梧。
彼のことはここ数日で調べさせてもらった。
ナツカワの創設者の孫であり、ナツカワの現副社長を務める。
若くして副社長を務める実力者で、親族だからボンクラ息子が社長に…という構図はナツカワでは当てはまらない。
世界のナツカワだ。
親族であろうと使えなければ雇いもしないだろう。
そうでなければ世界で通用しない。
「本当に仲睦まじいですね。」
微笑んで言われてもジリジリと後退りたくなる。
正体を知ってもどこか得体の知れない男だ。
「俺はあなたに用はない。
失礼します。」
「おやおや。
私は用があって出向いたのです。
少々お時間を頂きたい。」
妙なことに巻き込まれるのはごめんだ。
特に……美希さんがいる時に。
美希さんを守るように少し前に出て彼と美希さんとの間に立つ。
繋がれた手に僅かに力が込められて美希さんも緊張しているのが伝わった。