恋のコーチは期間限定
「ごめん。せっかく休みの日に来れたのにもうお昼過ぎなんて。」

 起きた蒼はいつもの蒼に戻っていて少し残念な気持ちになった。
 甘えっ子で可愛かったなぁ。

「いいの。疲れてるんだよ。
 自分のアパートにも帰ってる?」

「あー。まぁ、うん。」

 言葉を濁した蒼にあまり帰れていないことが伺えた。

「今日は1日お休みなの?
 それなら蒼のアパートに行こうよ。」

「そ、それは……。」

 焦る蒼に微笑んで声をかけた。

「平気。掃除しよ?
 いつも私に会いに来てくれて自分のこと疎かにしてない?
 鍵……渡してちょっと後悔してる。」

「そんなこと!そんなことないよ。」

 私は蒼といられたらどこだって嬉しいんだよ?
 その言葉は飲み込んで抱き寄せられた蒼の胸に顔をうずめた。

 蒼の負担にはなりたくなかった。









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