恋のコーチは期間限定
 蒼に触られた体は熱くて、けれど恥ずかしくて。
 蒼の首を腕を回して小さく言った。

「…………もっと、……触って………。
 ひゃあ。」

 思わずそのまましがみついた。
 そうだ。
 ヤダ………すごく思い出した。

「それで……蒼葉くんが欲しいよ。」

「いいの?
 ダメって言っても止められないけど。
 俺も……美希さんが欲しい。」

 甘く囁いた蒼にその時のことが鮮明に蘇る。
 しがみついて私も……何度もねだった。

「もうお願い。許して………。」

「ん……意地悪だった?」

「う……ん。
 でも、忘れててごめん。
 あ、待って……。」

「……待ってないよ。」

 切ない顔をする蒼に胸の奥がキューッとして体が疼いて仕方がない。

「蒼………大好き。」

 蒼の顔に顔を近づけてキスをした。
 大好きっていう気持ちと忘れててごめんという気持ちを込めて。

「もう……。」

 困ったような笑みを浮かべて蒼はさっきよりも余裕のない顔でゆっくりと私を侵食していった。








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