恋のコーチは期間限定
 目を見開いた蒼に頭をゴチンと頭突きされた。

「どうしてそうなるの。そうなりたい?」

「ち、違うよ。だって………。」

 呆れてため息混じりに「もう………」と言われた後にまた甘く甘く囁かれた。

「俺と美希さんとの間に何もかもの隔たりを無くしたいってこと。」

 囁かれた言葉を理解すると今度は顔が一瞬で熱くなった。

「そ、それは……だって………。」

「俺の欲しいプレゼント分かる?」

「それは…………。赤ちゃん?」

「そう。でもその前に美希さんの本当に全ての全部が欲しいんだ。
 色々と頑張っているのは美希さんに認めてもらう為だよ。」

 指に触れた蒼が手を離すと薬指にはキラキラとまぶしい指輪が………。

 私の為に頑張ってるって………。
 蒼は頑張らなくたってずっとずっと私よりすごい人なのに………。

 そんな言葉は胸が詰まって声にならない。

「結婚しよう。」

「ま、って……だって。
 頭が混乱して……。こんな………。」

「こんなロマンもへったくれもないプロポーズごめんだって?」

「そんなこと………。」

 涙が頬を伝う。
 涙を拭ってくれて蒼は微笑む。

「……返事は?」

「はい。こちらこそお願いします。」









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