恋のコーチは期間限定
「ねぇ。ふと思ったんだけど。」

 もらった指輪に見惚れつつ浮かんだ疑問を口にした。

「初日の時、本当に全部使い切っちゃったの?」

「何?何?何を確認したいの?」

 意地悪な笑みを浮かべる蒼の胸をたたく。

「ちがっ……。
 だって起きてすぐ「もう一回しよう」って誘われなかった?」

「あ………。」

 目をそらした蒼の僅かに動揺したのを見逃さなかった。

「ちょっと!蒼?まだ何か隠してる?」

「隠してませーん。」

「可愛子ぶりっ子してもダメ!」

 私の追及に顔を背けて逃げていた蒼が観念したように言った。

「こっそり深夜……というより朝方に買いに行ったって言ったら?」

「裸で?」

「服は着たよ!」

「だって私が起きた時に服、着てなかった!!」

 その時のことはバッチリ覚えてるんだから。
 忘れたくても忘れられない。









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