恋のコーチは期間限定

「まだ寝てる美希さんの素肌の感触を抱き締めて確かめたかったから。」

「エッチ！」

　憤慨する私に声を落とした蒼が胸を締め付けるようなことを口にした。

「もしかしたらあの日で最後になるかもしれないって思ったから………。」

　消えそうな声を聞いて切なくなって抱き締めた。

「もう。そういう言い方、ズルイよ。」

　フッと息を吐いた蒼が囁くように言った。

「あれが最後にならなくて良かった。」

　抱き締めた腕を優しく撫でた蒼がその腕を取って首に回し直した。

「これからも側にいて。」

　その返事は甘い甘いキスに込めた。

　ずっとずっと一緒だよ。