恋のコーチは期間限定
 二人だけで結婚式をしようと蒼に言われてウェディングドレスに身を包んでいる。

「綺麗だよ。」

 蒼も薄いグレーのタキシードを着ている。

「蒼こそ似合ってる。すごくカッコイイ。」

 照れたように頭をかく蒼が顔を近づけて囁いた。

「キスしたいけど誓いのキスまで我慢する。」

「もう。蒼ったら。」

 介添えの人まで微笑んでいるから余計に恥ずかしい。


 私の両親に挨拶は済ませた。

 年の差に最初はいい顔はされなかったけど、最後はお父さんが男泣きして「美希を幸せにしてやってくれ」と言ってくれた。

 ここで蒼が頑張ってくれている仕事が功を奏した。
「学生なんてダメだ!」と言われそうなところを………いや、言われたけど…それを理由に絶対に反対!!とはならずに済んだ。

「学生ですが働いています。
 美希さんを必ず幸せにします。
 美希さんは僕にとってかけがえのない人です。
 だから……お願いします。
 僕に美希さんの隣にいさせてください。」

 そう言ってお父さんへ頭を下げた蒼に涙がこぼれた。









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