恋のコーチは期間限定
「それは美希さんが軽率でしたね。」

「自分でも記憶が無くなるまで飲んだのはまずかったって思ってるわよ。 」

 痛いところをつかれて、ごもっともだ。

 いつもはみんなの世話役に徹していて、あそこまで外で酔えたことはない。
 人生で三本の指に入るあと2回は家で一人やけ酒を飲んだ時くらい。

「いくら可愛い年下の子だからって、その年の子って言ったらヤリたい盛りじゃないですか。」

 ヤリたいって……言葉を選んで欲しい。

「その年の子って………柚はいくつだっけ?」

 セットのサラダをつつきながら質問する。
 柚だってかなり若かったはず。

「短卒2年目の、今年22歳で〜す。」

 衝撃を受けてがっくりと肩を落とす。
 若いと思っていた柚でさえ………。

 それはそうか。
 彼は妹の望美と同級生なんだから。

「付き合っちゃえばいいじゃないですか。
 体の相性はバッチリなんでしょ?」

「それは………。」

 時間が経つにつれて不意に思い出す彼の艶かしい仕草や最中の彼の余裕の無さそうな切ない表情。
 恥ずかしくなる一方で体の奥が疼きを覚えて余計に赤面することになる。






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