恋のコーチは期間限定
「体から始まる恋愛もありだと思いますよ?」

「体から……ねぇ。」

 あんなにも年下の子と恋愛だなんて。

 体から……は無いと思っていたけれど、体からは手違いで起こってしまった。

 ただそれは体止まりだ。
 それ以上に発展しようがない。

 柚は面白がっているのか、けれどそこそこ的を得たことを言う。

「セフレでも面白そうですけど、美希さんには向かないと思うんで。
 彼とは恋愛する方向で。」

「方向でって………。」

 運ばれてきたオムライスに会話は中断された。

 とろっとした卵に濃厚なデミグラスソースが食欲をそそる。
 一口頬張れば、柔らかな卵の甘みとコクのあるデミグラスソースに、このお店の売りのトマトとブイヨンで煮込まれたお米、それぞれの美味しさが口いっぱいに広がる。

 やっぱりここのオムライス美味しい。

 悩むのが馬鹿らしくなって、この問題はとりあえず保留にすることにした。
 










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