恋のコーチは期間限定
 テニスコートの端で彼はスポーツドリンクを飲んでいた。
 早めに来れた今日は蒼葉くんの友達に会うと思いきや誰もいない。

 いつから……待っているんだろう。

「お疲れ様です。
 今日は仕事早く終わったんですね。」

 私を見つけた彼は手を軽く上げて微笑んだ。

「連絡先。」

「え?」

「後で連絡先を交換しましょ。」

「…………はいっ!」

 嬉しそうな笑顔を向ける蒼葉くんが眩しい。

 可愛いなぁ。懐いた犬っころみたい。
 私もつられて微笑んだ。






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