恋のコーチは期間限定
昨日教わった握り方でグリップを握ってみる。
「心なしか重い?」
「そうみたいですね。
俺も昨日調べたら硬式のラケットの方が重かったです。」
再びの急な敬語に心の中で苦笑しつつ小さく感嘆の声を漏らした。
「調べて……くれたんだ。」
「えぇ。コーチですから。」
得意顔の彼が今日はなんだか頼もしく見える。
「ソフトテニス打ちになりやすい美希さんは手首を傷めない為にも両手打ちをまず覚えましょう。」
「こう?」
「そう。握る角度は変えないで。」
今日は私に覆い被さって教えるような真似はしない。
ラケットを挟んで向かい合って教えてくれる彼に安堵する。
「硬式と軟式の違いが分かる動画も見つけたんで、あとで観ましょうね。」
首にかけていたタオルで顔を拭いた彼に、今日もどちらかのアパートに行くつもりなんだ……と直感的に思った。
その口実を言うのが気まずくて顔を隠したように見えて、それを微笑ましく思ってしまった。
どんな関係かはいまいちハッキリしないけど、今はこのままの関係でも心地よく感じた。
「心なしか重い?」
「そうみたいですね。
俺も昨日調べたら硬式のラケットの方が重かったです。」
再びの急な敬語に心の中で苦笑しつつ小さく感嘆の声を漏らした。
「調べて……くれたんだ。」
「えぇ。コーチですから。」
得意顔の彼が今日はなんだか頼もしく見える。
「ソフトテニス打ちになりやすい美希さんは手首を傷めない為にも両手打ちをまず覚えましょう。」
「こう?」
「そう。握る角度は変えないで。」
今日は私に覆い被さって教えるような真似はしない。
ラケットを挟んで向かい合って教えてくれる彼に安堵する。
「硬式と軟式の違いが分かる動画も見つけたんで、あとで観ましょうね。」
首にかけていたタオルで顔を拭いた彼に、今日もどちらかのアパートに行くつもりなんだ……と直感的に思った。
その口実を言うのが気まずくて顔を隠したように見えて、それを微笑ましく思ってしまった。
どんな関係かはいまいちハッキリしないけど、今はこのままの関係でも心地よく感じた。