【完】武藤くんって甘くない
いいように考えちゃおう。


もしかすると、あたしそこまで嫌がられてない?


「授業中いつも寝てるのって…見えないから?」


「そのせいかわかんねーけど、とりあえず眠い。ふあぁ」


大きなあくびをする武藤くんの無防備さに胸きゅん。


あたしにもこんな顔見せてくれるなんて。


「これまでとったノート、全部見せようか?」


「いや、友達に頼んでる。ふあぁ…やばいまた眠気が」


「寝ていいよ!あたしにまかせて」


すると疑いの眼差しを向けられた。


「一番頼めないやつじゃん。また俺のマネするんだ?」


「いやっそれは、もう言わないで。反省してます」


「田中ってさー、よく喋るよな…」


そして無言。


もう喋るなっていうトドメなの?


それとも、あたしと喋るのが結構楽しいとかそんな感じ?


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