【完】武藤くんって甘くない
武藤くん…お腹空かないのかな?


トントンと肩を叩いてみる。


「もう行ったよ」


そう声をかけるとゆっくりと起き上がった。


「ありがとな。はー…」


大きなため息をついたあと、ちょっと申し訳なさそうにあたしを見る。


「悪い、お前に向けたわけじゃなくて」


「ううん、わかってるよ。武藤くん疲れやすいんだよね」


「ぶっ…ジジイかよ。そんなんじゃねーけど」


「ああっ、そういう意味じゃなくて!迷惑っていうのを全面に出したい時のポーズだよね?」


「…は?」


怒ってる風じゃなく、苦笑してる。


「そうじゃないの?」


「ダメだな、なんか癖になってる。お前のせいで」


「えええっ、あたしなの?」


「ウソだよ、バーカ。なに本気にしてんの」


ウソならいいけど…それにしてもこんな会話だとしても、武藤くんと話してると胸がドキドキしてる。


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