【完】武藤くんって甘くない
「とにかく、ため息はダメ。幸せ逃げちゃうから」


あたしだってつかれたらそれなりに嫌だからね。


「そか、気をつける」


笑ってる武藤くんの顔、本当に最高だよ。


いつまでも眺めていたいなー。


「俺と話したら、また小松に注意されんじゃね?」


「だっ、大丈夫だよ…他の女の子と行っちゃったし、別にあたしたちはなにも」


「そうだったな」


「あのね、これ口つけてないから…食べない?」


結局あまり食べれなくて、お弁当を武藤くんに見せる。


「お前のだろ」


「食欲なくて…」


「俺がさっきあんなこと言ったから気にしてる?」


心配そうに問いかけてくるから、それが理由じゃないってことはちゃんと伝えなきゃいけないよね。


「ううん、そうじゃないよ」


武藤くんが、他の女の子にも優しいってことにダメージを受けただけなの。

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