【完】武藤くんって甘くない
「武藤くん、ねぇいいよね」


近くまで来て、武藤くんの腕を引っ張る。


ダメだよ!その腕はあたしがいつか独り占めする予定なんだから。


触らないでーっ。


「ゆずちゃん、そろそろ帰れる?」


そうだった、小松くんと帰る約束してたっけ。


武藤くんは根負けしてあの人と帰るのかなぁ…。


「どした?顔暗いなー」


「ごめん…あたしやっぱり」


「そう言わずにさ。またどっか店寄ろ」


「う…ん」


武藤くんとの話を聞いてもらえるだけでもありがたいよね。


実際に作戦もたててくれて、少し話せるようになったし。


「今日はどこ行く?カラオケとか」


「ええっ、カラオケはちょっと…」


歌は苦手だし、さすがに小松くんとふたりでは途中で気まずくなりそう。


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