【完】武藤くんって甘くない
「他にいくらでもいるだろ。なんでこいつなの」


小松くんを冷ややかに見ている。


「ゆずちゃん、優しいじゃん。それに一緒にいて楽しいし?」


そんな風に思ってくれてるんだ…小松くんには武藤くんのことを相談してるしカラオケぐらい行ってもいいのかな。


あたしを楽しませるために提案してくれただけなのかも。


「女なら誰でもいいんだろ?」


「ひでぇっ!純粋にゆずちゃんが好きじゃダメなのかよ」


「なおさらダメだろ。田中の信頼失うようなことするなよ」


「しねーよ」


「してるだろ。単なる暇つぶしなら他当たれよ」


武藤くんに言われて、小松くんは唇を噛んでいる。


「お前が相手しないからだろ?彼氏でもないのに口出すなよな」


「そうだな…」


え、武藤くん引き下がっちゃうの?


さっきまでかばってくれてる風だったから、一気に拍子抜け。

< 131 / 254 >

この作品をシェア

pagetop