【完】武藤くんって甘くない
「行こう」


小松くんに腕をひっばられる。


わぁっ…やだ。


ぎゅっと目をつぶるだけでなにも抵抗できない。


ここは思い切って断った方がいいのかな?


だってフォローしないって言ったはずの武藤くんがこうして現れて小松くんに忠告してくれている。


いくら作戦って言っても、これ以上心配かけられないよね。


「小松くん、もういいの!ありがとう。武藤くんにホントのことを話すね」


逃げちゃダメ。


目を開けて…現実を見つめなきゃ。


小松くんはちょっと苛立ってる風。


そうだよね、協力してもらったのにこんなのってない。


「小松くん…ごめんなさい。そして武藤くんもごめんなさい!あたし嘘ついてたの…」


武藤くんはなにも言わない。


ただ黙ってあたしを見ている。


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