【完】武藤くんって甘くない
「ここに人気の曲がたくさん載ってますよ」


スマホで公式サイトを見せようとすると、男の人が苦笑している。


「それがなかなか。実際に歌わないと覚えらんなくて」


なるほどー、そういうものなの?


「嫌かな。お願いします!この通り。ちょっとだけでいいから付き合ってよ」


この付き合っては、カラオケに付き合って…だよね?



「あのっ…ええっと…」








「好きなの頼んでいいよ」


なんだか断りきれなくて、カラオケまでついてきてしまった。


とりあえず飲み物だけを頼んで、微妙な空気の中早く帰りたい気持ちでいっぱいになる。


部屋に入るなり、男の人はあたしの横に座ってきた。


ちっ…近いよ!


ツツツッと少し離れる。


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