【完】武藤くんって甘くない
「ごめん!一緒に選んでもらおうかと思って」


あっ…そういうこと。


勝手に意識して、あたしってば。


男の人はタブレットを手に、慣れた手つきで曲探し。


サクサクと進む画面を見てあたしは呆然とするだけ。


ほとんどカラオケに来ることがないし、どう操作すればいいのかもイマイチわからない。


「どの曲が好き?」


あっという間にDDTのメドレーに辿り着き、曲のタイトルをいくつか指さす。


「えーと…これと、これ…あっ、あたしが好きなのより人気の曲ですよね?」


「まー細かいことはいいじゃん?俺が先に歌ってもいい?」


「はいっ、もちろん」


歌う気なんてさらさらないし。


どうぞ存分に歌って下さい!


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