【完】武藤くんって甘くない
「そんな…あたしに協力してくれたのは嬉しかったよ」


「あの後、武藤に言われた」


武藤くんに?


あたしが鬱陶しいから必要以上に関わらせるなとか?


バカなあたしにこれ以上勘違いさせるなとか?


「なんて言われたの?」


「教えない」


えええっ!


傷つくから言えないってことだよね。


小松くん、そんな心配は無用だよ!


打たれ強さには自信があるの。


「あたしは大丈夫だから、ハッキリ言って」


「武藤が、ゆずちゃんには言うなって…」


そうなんだ、よっぽど毒吐いたのかな。


どこかの部屋が空いて、カラオケの音が漏れ聞こえる。


「俺、ちょっと見てくるわ。逃げたかな」


「わははっ!カバンあるしそれはないだろ」


ああっ、あたしのことだ!

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