【完】武藤くんって甘くない
「あれ、まだ外にいんの?後ろすげぇうるさい」


「そっ…それが。小松くんに助けて欲しくて…えっ、駅前のビルっ…」


「あれー、電話中?邪魔しちゃったかな。来ないから迎えに来たよ」


ひいっ。


現れた男の人にスマホを奪われた。


「おいっ、どうした?ゆずちゃん?」


スマホから小松くんの声が聞こえたけど、そのまま電話を切られてしまった。


「男の声だったけど。例のキミを振った男?助けてってなんだよ」


さっきまで紳士的だった男の人が、あたしの腕を軽く掴みながら怪しげに笑う。


「やっ…離して」


「そいつここに来るの?やばいなぁ」


ニヤニヤしながら顔を近付けてきて、もう気持ち悪いし怖いったらない。


< 155 / 254 >

この作品をシェア

pagetop