【完】武藤くんって甘くない
「部屋に戻ろう?楽しい方がいいし友達も呼んだんだ」


あの人たちのことだ…あたしは全然楽しくないよ。


足が動かない。


「歩けよ」


太ももを足の甲で軽く蹴られる。


「足がすくんじゃって…」


「うまいこと言うよな。担いで行こうか?」


「それはっ…じ、自分で歩きます…」


やだ、本当に足が動かない。


そのうちヘタヘタと床に崩れ落ちた。


「マジかよー。立ってくれる?」


「それがっ…腰が抜けたっていうか。力が入らなくて…」


「本当かなぁ。こんなとこでダダこねても無意味だよ。ほらっ」


脇の下にもぐりこみ担ぎあげようとする。


「きゃっ」


強引に立たされ引きずるように歩く。


「重っ!見た目より体重あるな」


ひっど…。


けど悲しくなってる場合じゃない。

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