【完】武藤くんって甘くない
「むっ、武藤くん⁉︎」


あたしを無視したまま突き当たりの部屋を勢いよく開ける。


歌っていた男たちが驚いて一斉にこっちを向いた。


「誰だっ、お前」


部屋に入る前にあたしから手を離し、無言のまま床の上に投げ出されたあたしのカバンを拾い上げる。


「手帳どこだよ」


威圧感たっぷりに男たちに問いかける。


武藤くん…怖くない?


いつもより迫力がある。


「なんの話だよ‼︎その女がねだるからカラオケ連れて来てやっただけだろ」


「このまま警察行ってもいーけどな。そういう女じゃねぇの、こいつは」


ドキッ…。


あたしのこと信じてくれてる?


武藤くん…。






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