【完】武藤くんって甘くない
武藤くんに着いて歩くと、カラオケに一緒に来た男の人がまだ床にうずくまっていた。


「大丈夫かなぁ…」


「は?なにされそうになったかわかってる?」


呆れ顔で見てくる。


「そうだけど…壁に激突したからちょっと心配」


「意識はあるみたいだし?自分から壁にぶつかったんどしまあ平気だろ」


そうなんだ…そこまで心配しなくても大丈夫ってこと?


男の人を通り過ぎ、エレベーターに乗る。


ふたりっきりだよ!


下に着いたらサッサと帰っちゃうかも。


今のうちにお礼を言わなきゃ!


「助けてくれて…ありがとう」


エレベーターのボタンを見つめて黙ったまま…。


強さを誉めるのが先?


「武藤くんって、強いんだね?知らなかったよ」


「………」


「意外だった。ううん、そうでもないかぁ。見た感じちょっと強そうだもんね!」


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