【完】武藤くんって甘くない
「武藤くんは…優しいよ。さり気ない優しさを好きになったの。不器用なだけだよね…あたしにはわかるから」


「まーな。直球でこられると引く。だから、愛情表現は30パーセントぐらいでいいから」


さっ、30パーセント⁉︎


それ少な過ぎでしょ!


「それってただの女友達と変わらなくない?」


「俺、女友達なんかいねーもん。お前と違って」


これは小松くんのことを言ってる⁉︎


けど、武藤くんだって!


教室に来ていたあの女の子は?


言いたいことを堪えていると、プッと吹き出された。


「息とめろとは言ってねーけど」


「違うよっ。教室に来てだあの子は?友達だよね、やたら親しそうだったし」


「友達じゃねーし。冷たくしてたろ?なに見てたんだよ」


そうだった。


あたしにするより酷かった。


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