【完】武藤くんって甘くない
武藤くんは何度も頷いている。



「じゃ、ま。自然体で」



うん、自然体。



いいねぇ。



カフェオレを飲む武藤くんをじーっと見る。



ごくごく…。



「見すぎだろ」



「ふふっ」



とりあえず見つめていたいの。


武藤くんとこんな風に話せるときがくるなんて思わなかったから、本当にすっごく嬉しいんだもん。


隣の席で他愛もない会話をしながら、見つめあっているあたしたちは、今まさに理想のカップル。


武藤くんが笑ってる。



「飲みにくい」



片手で頬を軽く押されて、反対を向かされた。



そういうこと!



目線が廊下の方に向いたとき、小松くんがちょうど教室に戻ってきた。



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