【完】武藤くんって甘くない
「飛び蹴りぐらい痛かったっつーの」



「ちょっと蹴っただけなのにな。それに自業自得だろ?面白がって周りに話した罰」



「罰って!あー、ひどいよね。武藤がこんなこと言う。ゆずちゃんと武藤のことをこんなに応援してるのに」



小松くんは大きく手を広げてみせる。



「ありがとう。あたしには伝わってるよ!武藤くんと付き合えたのも小松くんのお陰。この中の好きな飲み物あげる」



机の上の飲み物をさす。



本当は全部あげてもいいけど、そうしたら武藤くんと差ができちゃう。



あたしの一番は、武藤くんじゃないといけないから、そうするわけにはいかない。



「えー、全部欲しい」



甘えた声で小松くんがお願いしてきた。



「全部?それは…」



一応、武藤くんをチラ見。


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