【完】武藤くんって甘くない
「行ってきます!」



教室のうしろのゴミ箱へとダッシュ。



ゴミを捨てて武藤くんのところに戻ろうとすると、クラスの女子に話しかけられた。



「武藤くんと付き合えたんだ!よかったね。入学式から毎日頑張ったもんね」



「そうなのー。やっとだよ!」



「でもやっとスタート地点だよね。付き合ったはいいけど、お試し的な感じでしょ?」



「そんなことないよ?もうすっかり両思い。えへへー」



「きゃーっ、そうなの?もっと聞かせて~」



きゃあきゃあと盛り上がっているうちにすっかり舞い上がり、周りが見えなくなっていた。



話している子の一声で、我に返る。



「武藤くん、教室を出て行ったよー」



あっ…。
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