【完】武藤くんって甘くない
よくあることなんだ?



さすがモテる男は違うね。



だけどあたしはそうじゃない。



「自慢じゃないけど、そんなに惚れっぽい方じゃないと思うし…」



こんな風に好きなことを伝えたいって思ったのは、武藤くんだけなんだよ。



だけどこの場で言っても、信じてもらえなさそう。



「ふぅん」



ほら、信じてないよね。



さらにあたしにすら興味なさそう…。



視線は既に、橋の向こうにいる友達の方だよ。



あたし、早まったかも。



この恋はもっとじっくり自分の中だけで育てるべきだった?



「どうする?」



「え?」



「電話」



ああっ、その話まだ続いてたんだ!?



「教える、教えますっ!かけてね絶対。いつでも、何時でもいいから。夜中でもいいし、寝ずに待ってる」



「うーわ」



え、わーお?



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