【完】武藤くんって甘くない
「同じ中学の…ほら、修学旅行で…」



「え、修学旅行?」



当人、なにも覚えてない様子。



本気でキョトンとしている表情からそう悟った。



もう…こうなったら!



「武藤くんに、無謀にも告白した女だよ、気が向いたら電話するって言われてずっと待ってたのに」



「あー…」



思い出した!?



なんだかバツが悪そうに頭をかいている。



「修学旅行のどのタイミング?いっぱい告白されたから誰だかわかんねーや」



ウッソー!



そんなに告白されたんだ?



だからあんな扱いだったのかも。



気まぐれだとか、気が向いたらとか。



電話番号を聞くのは、とりあえず保留にしたわけじゃなく…気を持たせての放置!



ひどっ。



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