【完】武藤くんって甘くない
「気が向いたらかけるって言ったよね」



「気が向かなかったってこと」



アッサリ言われてしまい、反論する気も失せる。



初めから、かける気なんてなかったのかもね。



武藤くんってモテるみたいだし…。



それに、修学旅行でいっぱい告白されたならその中に今の彼女がいる!?



そうだよ、彼女いるかもしれない。



「付き合ってる人、いるの?」



「秘密」



秘密って!



「一番困るよ、その返事」



いるなら諦めるし…いないなら、もう少し…距離感を縮めたいよね。



「だったらー…いるってことで」



「えええっ…彼女いるんだ!?」



大きな声で叫んだからか、周りの生徒があたしたちに注目している。



そして、武藤くんの前の席の男の子がヘラヘラ笑いながら話に入ってきた。



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