【完】武藤くんって甘くない
構うなってことは、話しかけたりしちゃダメってこと?



「せっかく隣の席だし…」



「すぐ席替えするだろ」



「クラスに知ってる人、あんまりいないし…」



「そのうち友達できるだろ?」



「てことで、話しかけていいかな?」



「他のやつと喋って」



そう言って武藤くんは机に突っ伏して寝てしまった。



えええーっ!



そんな拒否らなくても。



人見知りなのかな、それとも本当に嫌なのか。



喋るぐらい、いいのにね。



ツンツン。



つまんなくて武藤くんを突っついてみる。



「…んだよ」



軽く顔を上げて、突っついたのがあたしだと確認するとまた顔を伏せてしまった。



「武藤くーん、もうすぐ先生来るよ」



「あっそぉ…」



どうでもいい話をしてしまった。



それなのに面倒くさそうにしながらも律儀に返事をしてくれる武藤くん。



やっぱり優しい!?



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