すべては、
次の日の日曜日も旦那は仕事があると会社に出掛けて行った。
そして今日もまた私は買い出しに行く。
気分が晴れないのは知っているのに出掛けるのは、一人で家に居れば自ずと台所を目にしあのことを思い出してしまうからだ。
今日はいつも行くスーパーではなく、商店街に行くことにした。
お店の人と話せば少しは気が紛れるかもしれない。
けれど…
「お買い物ですか?」
何を買おうか商店街を歩いていると後ろから声を掛けられた。
この声…
振り向けば、あの男が立っていた。
自然と一歩足が下がる。
「木下さん…どうして…」
「ここに来れば貴女に会えるかと思いまして。」
会えるかと思って?
「私…商店街には滅多に来ないんです…」
「そうでしたか。それは運命ですね。」
心底嬉しそうに喜ぶ彼に違和感が拭えない。
運命なんてそんなことあるはずないもの。
「つけてきたんですね…」
「ええ、そうです。貴女に会いたくて家に行ったら出掛けるのが見えたものですから。」
彼は隠すでもなく直ぐに認め、悪びれもせず無邪気な笑顔で話す。
まるで何ともない世間話でもするかのように。
「失礼します。」
私は逃げるようにそこから離れたが…
「そんなつれない態度とらないで下さいよ。傷つきます。」
そして今日もまた私は買い出しに行く。
気分が晴れないのは知っているのに出掛けるのは、一人で家に居れば自ずと台所を目にしあのことを思い出してしまうからだ。
今日はいつも行くスーパーではなく、商店街に行くことにした。
お店の人と話せば少しは気が紛れるかもしれない。
けれど…
「お買い物ですか?」
何を買おうか商店街を歩いていると後ろから声を掛けられた。
この声…
振り向けば、あの男が立っていた。
自然と一歩足が下がる。
「木下さん…どうして…」
「ここに来れば貴女に会えるかと思いまして。」
会えるかと思って?
「私…商店街には滅多に来ないんです…」
「そうでしたか。それは運命ですね。」
心底嬉しそうに喜ぶ彼に違和感が拭えない。
運命なんてそんなことあるはずないもの。
「つけてきたんですね…」
「ええ、そうです。貴女に会いたくて家に行ったら出掛けるのが見えたものですから。」
彼は隠すでもなく直ぐに認め、悪びれもせず無邪気な笑顔で話す。
まるで何ともない世間話でもするかのように。
「失礼します。」
私は逃げるようにそこから離れたが…
「そんなつれない態度とらないで下さいよ。傷つきます。」