すべては、
おまけ① ある日の二人
「馬鹿か!お前!」
「すみません…」
その日、私は鬼の形相で怒る先輩を前にして、体を縮こまらせていた。
「まあまあ東くん、この仕事にアクシデントはつきものでしょ?そんなに怒らないであげてよ。」
空かさず係長がフォローを入れてくれる。
「係長~」
私が涙目で見る係長は、神様仏様の様に見えた。
係長様のおかげでそれ以上怒られることはなかったが、東さんは眉間にそれはそれは濃い皺を刻む。
「次"取れたら"…分かってるな?」
「はいー!」
凄い威圧感に背筋が伸びて、半分悲鳴となった声が跳び出す。
こうなったのは、私の不注意が原因だ。
休日の人がごったがえす街で、ターゲットを追っている最中、角を曲がった所で人にぶつかりイヤリングを落としてしまったのだ。しかも二つとも。
イヤリングには盗聴機と発信器が付いていて…
それは引き寄せられるかの如く真っ逆さまに足元に落ち、一つは私が、もう一つはそのぶつかった人が踏んで粉々に破壊した。
ターゲットは一緒に行動していた朝比奈さんが追ってくれたから問題なかったが…
仕事に誠実な東さんの逆鱗にガンガンに触れてしまったのだ。
そう、ガンガンに…
「すみません…」
その日、私は鬼の形相で怒る先輩を前にして、体を縮こまらせていた。
「まあまあ東くん、この仕事にアクシデントはつきものでしょ?そんなに怒らないであげてよ。」
空かさず係長がフォローを入れてくれる。
「係長~」
私が涙目で見る係長は、神様仏様の様に見えた。
係長様のおかげでそれ以上怒られることはなかったが、東さんは眉間にそれはそれは濃い皺を刻む。
「次"取れたら"…分かってるな?」
「はいー!」
凄い威圧感に背筋が伸びて、半分悲鳴となった声が跳び出す。
こうなったのは、私の不注意が原因だ。
休日の人がごったがえす街で、ターゲットを追っている最中、角を曲がった所で人にぶつかりイヤリングを落としてしまったのだ。しかも二つとも。
イヤリングには盗聴機と発信器が付いていて…
それは引き寄せられるかの如く真っ逆さまに足元に落ち、一つは私が、もう一つはそのぶつかった人が踏んで粉々に破壊した。
ターゲットは一緒に行動していた朝比奈さんが追ってくれたから問題なかったが…
仕事に誠実な東さんの逆鱗にガンガンに触れてしまったのだ。
そう、ガンガンに…