腹黒上司が実は激甘だった件について。
ああ、久しぶりに見たよ、この腹黒そうな目。
何をしたんだ、何を。

「秋山がスマホ持ったまま寝てるから。勝手に拝借して登録しといた。」

な、なんですと!
私がソファーで眠りこけてしまったばっかりに、勝手にスマホを触られていたなんて。

「めっ、メールとか見てないですよね?」
「さて、それはどうかなー?」

奈穂子とのやりとりはヤバすぎて見せられない。
いや、その他もできれば見ないでほしい。

「やめてくださいよ!」

抗議の声をあげると、坪内さんは可笑しそうに笑う。

「はいはい、見てないよ。お前の可愛い寝顔なら俺のスマホに入ってるし。」
「なっ!!!」

なんだってぇぇぇー!
私の寝顔写真だと?!
何を言ってるんだ、この人は。
冗談はそのイケメン顔だけにしてくれ。

坪内さんは、自分のスマホのアルバムデータを私に見せてくる。
そこには、ソファーでぐっすり眠りこけてる私がいた。

「ひぃぃぃぃっ!」

声にならない悲鳴が夜道を駆け抜けた。
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