夏の空が笑ってる。
「いや、知り合いというか、同じクラスだよ?」
「え、そうなんですか!?」
・・・知らなかった。
陽菜先輩とわたしのクラスは隣同士。
普通科の3クラスある中でわたしはA組、先輩はC組だ。
一学期のあいだ気付かなかったな~。
「太一はね、ただの野球バカだよ。あ、あいつの名前ね。野々村太一。頭はそこそこいいんだけど本当野球の話しかしないの。俺は絶対甲子園行くんだって張り切ってるよ」
「そうなんですね~」
適当に返事をするとわたしはまたグランドの方に目を向けた。
姿は見えない。
そっか。頑張ってるんだな。と呑気なことを考える。
「ちょっと、ボーッとしない!練習再開!」
陽菜先輩の声で練習を再開する。