◇虹色◇


暗くて、顔はよく見えないけど、

この声は李威だ。

『李威?』

『おう。今、終わったのか?』

『うん。そうだけど。』

私、ものすごく緊張してる。

声は震えてないから大丈夫だとおもうけど。

『そうか。』

李威が私の隣をみた。

『…敬南?』

すっかり、

隣にいた敬南のことを忘れていた。

『俺、レオナ待ってたんだけど。』

『俺も。』

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