◇虹色◇


『来斗! 久しぶり。』

『はぁ? …まじかよ。』

====

『え? っちょっと。』

それから、

逃げる来斗になんとかおいつき…。

『ねぇ、なんで逃げるの?』

『俺さぁ、親の借金背負うことになってさ、
 藍華に迷惑かけたくねぇから、
 藍華の前から消えたつもりだった。
 でも、一瞬でいいから藍華の顔
 もう一度見たくなって、
 戻ってきてしまったんだ…。
でも、もう…。』

『え?』

『俺とは別れてほしい。
それで、幸せになってほしい。』

そういって来斗は私の前からいなくなった。


< 63 / 94 >

この作品をシェア

pagetop