聞きたかったコトバ
他に用もなさそうだし
まっすぐワガママ娘のところにもどる。
教室には予想以上に人がいた。
みんな授業初日は残って、友達作りにはげむってことね。
教室に入ると、窓際から声が上がった。
「ヒロヤ!ここ、ここ。」
威勢のいいワガママ娘は、すでに数名の男女をつかまえていた。
男2人、女2人。
「あと夏木さんも来るから机動かさないと。」
へぇ、夏木雫もつかまったのか
「今売店に買いにいってるからもう帰ってくるかな。帰ってきたら自己紹介しよー。」
ほんと元気いいなぁ。
自己紹介しなくてもここのみんなは自分が誰につかまったのかぐらいわかってるよ。
そうこうしてるうちに
夏木雫が帰ってきた。
「ゴメンゴメン。待たせちゃって。」
夏木雫から、ゴメンという言葉がでてくるのは意外だった。
ゼッタイ謝らないタイプな気がしてた。
「ゼンゼンいいよー。ヒロヤも今帰ってきたし。
じゃあさ、自己紹介しよーよ。」