聞きたかったコトバ
えーっと、なんて言おう…
バスが遅れた…
いや徒歩通学は先生も知ってる…
ちょっと急用があって…
つっこまれるとキツいか…
あえて笑いにはしる…
うーん…
そんな論議を頭でフル稼働させながら
ヒロヤの足はもうすぐ坂をのぼりきるとこまできていた。
ヒロヤの家からの上り坂を上がりきったところにバス停がある。
少し離れたところからくる人はだいたいこのバス停でおりる。
だから、朝はバスにぎゅうぎゅうに人がつめこまれてやってくる。
しかしこんな時間。
ヒロヤとバスが到着したのはほぼ同時だった。
中はすいている。
当たり前か…
おばあちゃんが2人、子供を連れたお母さんが一組。
…ん?
明らかにうちの高校の制服を着た女子生徒がひとり…
ヒロヤを見つけ、不思議な笑みをうかべている。
授業初日、クラス委員そろって遅刻とは…