聞きたかったコトバ
しかたなくヒロヤはハイスピードで動かしていた足をとめ
遅刻中のもう一人のクラス委員がおりるのを待った。
遅刻だというのに、なんでここまで余裕なんだ。
「おはよう、ヒロヤ。」
爽やかな笑顔だ。
一瞬、心臓の動きがはやくなったのは気のせいだろう。
「おはよ。…しずく」
「今しずくって呼ぶのためらったね。はやく慣れてよね。」
「しかたないだろ、まだ昨日の今日なんだから。」
「まあそれもそうか。私は慣れたけどね、ヒロヤ♪」
また心臓がはやくなる。
気のせいじゃなさそうだ。
「てか、授業初日からクラス委員そろって遅刻って…。俺はともかくしずくは、寝坊?」
「うん。」
当たり前とでも言うように言いのけた。