聞きたかったコトバ


「俺もなんか言い訳考えないとなぁ。てか、それでも2人そろって同じ時間に遅れていくのはまずくないか?」






「そう?あぁ、いろいろ誤解されちゃうって?」



顔をのぞきこんでくる。




「い、いや、そうじゃなくてさ。ほら、クラス委員だし、先生にいろいろ言われそうじゃん?」




しどろもどろになる。





「ふふ。やっぱりおもしろい。」



また心拍数が上がった。





まったく
手の上でころがされるってこんな感じのことを言うんだろう…






「まあいんじゃない?今日ぐらい、偶然てことで。」



まあ偶然なんだけどね





「まあいっか。もうどうでもよくなった。」




観念する。




「よし、とりあえずどっちにしても急ごう。」


「意外と真面目だね。」





ちょっとひっかかることを言われた気もするが

かまわず歩きだす。





「あ、そういえばさ。サチってヒロヤと前から知り合いなの?」



「いや、昨日はじめて会ったけど?」



「ふーん、そうなんだ。」


「なんで?」




「いや、別に。仲よさそうだったから。」
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