聞きたかったコトバ
今、しずくがちょっとかなしそうな表情をしたと思ったのは…
気のせいだろう。
…
気のせいじゃなかったら…
また心拍数が上がるからやめておこう。
「誰でも仲よくなれるやつなんじゃないの?俺もいきなりハイテンションでもってかれたし。」
「なのかな。たしかに話しやすいね、サチは。」
「しずくもこんなに話しやすいとは思わなかったけどね。」
実際そうだ。
「そうなの?」
「はじめは、なんかつんけんしてるっていうか、別に友達いりません、みたいなんかと思ってた。」
「ふふ。ただ人見知りなだけだよ。人見知りのあいだはたしかにつんけんしてるけど。」
「じゃあ、ツンデレ?」
ちょっと照れてるみたいだ。
…そろそろ心臓の音が外に聞こえてもいいレベルだ。
「わかんないよ。そうなのかもね。」
またいたずらっぽく笑う。
遅刻という最優先議題がなければ、どうなってたことやら…
「まあそれはこれから見ていくとして。もう学校着くな。」