聞きたかったコトバ
「えっと、あの」
「寝坊か?」
まあそうなんですけど
「いや、そうじゃなくて。僕も病院行ってました。」
情けない。
人のウソにかぶせるなんて…
「ほんとかぁ?どこか悪かったのか?」
なぜ俺は疑われる…
「ちょっと腹痛で…」
探るような目で見られる。
う…
「本当ですよ、先生。病院で桐ケ谷くん見かけましたし。」
天使が助け船を出した。
先生もひるむ。
「あ、そうなのか…。さっきは言ってなかったけど。」
「私のことを言っただけですし。それと病院すごく混んでてずっと並んでたみたいだから、桐ケ谷くんも連絡できてないんじゃないかな?」
こっちに顔をむける。
片頬は笑っている。
「そ、そうなんですよ。先生すいません。」
頭を下げる。
「ま、まあそういうことなら仕方ないな。席につきなさい。」
乗りきった。
天使と目があった。
だれかこの心臓を抑えてくれ…