聞きたかったコトバ
隣の女の子とテストを交換する。



素直でかわいらしい子だなぁ




「よろしく!桐ケ谷くん…でいいんだよね?
私はじめ、キリガタニとか読んじゃった。よかった自己紹介ちゃんと聞いてて。
あ、でも初対面でこんなこと言ったら、バカがばれちゃうよね。あー、やっちゃったぁ。
私、林 早智。林でもサチでもてきとーによんでね。」




ずいぶん一気にしゃべるなぁ。


えーっと
名前が林 早智で、俺の名前をキリガタニって読んでて…

まあそんなんどうでもいいや

あと呼びかたはてきとーね。


人はそんないきなりいっぱい言われてもわかんねんだよ!

なんて表にださず



「よろしくー!そう桐ケ谷。キリガタニとはうけるなぁ。俺はむかしからヒロヤで呼ばれてるからそれでヨロシク。
てきとーに呼んでって言われてもなぁ
じゃあサチでいい?呼びやすいから。」



まあルックスも悪いほうじゃないし、第1印象はわるくないでしょ





「おっけー。じゃあ私もヒロヤって呼ぶねー。
ねぇねぇ、テスト解けた?私びっくりするくらいやばいから。悪い意味で…」




悪い意味のわりに、サチはあんまり気にしてないみたいだ。




「俺のほうがゼンゼンだよ。途中で放棄してたし。まあそのへんはおおめに見てあげて。」




「ばつはばつでつけるからね。おおめには見ない。
んー、ぱっと見、私といい勝負だな」



にやっと笑って採点をはじめるサチ。



前の黒板にはもう答えが書き出されている。


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