空色メロディーズ
やっと楽器が出来ること出会えた!
「本当!?じゃあ軽音楽部入らない?」
嬉しさのあまりその子の机に手をつき、今度は私が前のめりになって急接近してしまっていた。
顔がぶつかりそうになる。
その子は再び大きく体をのけぞらせて、目を見開いた。
またやってしまった。
なんでこんなにも勧誘が下手なのだろう。
どうして人との距離感の掴み方が下手なのだろう。
私は自分の不器用さに落ち込んでいた。
すると突然
「いいぞ」
と言ってその子は椅子が倒れそうになるほど勢いよく立ち上がった。
「へ?」
予想外の彼女の言葉に驚きすぎて思考が追いつかない。
「あんたから誘ってきたんだろ」
その子は自分の右手を出すと、私の右手を強引に自分の方に持ってくると手を取り強く握った。
こんなに押しが強い子初めてだ。
というか力強っ!痛いっ!
「私、武下真だ!よろしくな!」
と男勝りな口調で元気に言うと私の手をさらに強く握った。
目もギラギラと輝き、やる気に満ちている。
す、すごい...
「は、原田奏音です。よ、よろしく!」
と言って慌てて彼女の手握り返した。
「おう!」
この子が入ってくれると思うとなんだか心強い。
「あと実はね...」