ねぇ、泣かないでよ。
「なん、で」
「分からない。本当を言うと、陽ちゃんには感情的に動いちゃうんだ」
「こんな、こと」
「逃げないのは、リハビリに付き合ってくれるからでしょ?」
そう、とも違うとも言えなかった。
息がしずらいほど心臓が激しく跳ね上がる。
ドキドキという擬音語は全く似合わない。
グサッグサッと、鋭く鈍い音がした。
「リハビリ、だから」
そう言ってまた唇を触れさせる和くんは、
何とも言えなかった。